バリデーション療法で大事なポイント

少子高齢化社会へと進んでいる日本で大きな問題となっているのが認知症患者の増加です。脳の神経細胞の破壊・減少など、なんらかの変性によって発症する認知症。世代を問わず発症することもあるこの認知症の対処法として注目を集めているのが、バリデーション療法です。認知症を患っている人と円滑なコミュニケーションを取るために用いられるバリデーション療法の場合にはいくつかのポイントを抑えておくことが大切になります。

基本として挙げられるのが傾聴です。バリデーション療法における傾聴は人のその時の感情を汲み取ることを目的とします。認知症患者の場合、口に出している言葉と実際の感情が違っているケースも少なくありません。ただ漫然と話を聞くのではなく、五感の全てを使って相手が本当に伝えたいことが何なのかを理解してあげることが重要です。言葉を反復したり発言に対して質問をすることでより理解しやすくなります。相手のペースに合わせてあげることも大事なポイントの一つです。介護者の中には、歩行のペースや姿勢などを正しい形に誘導することが正解と認識している人もいます。一見、正しいようにも感じられますが、強要は相手のストレスを溜める原因です。バリデーション療法は、当たり前にできていたことが思うようにできなくなるという、不安やストレスを軽減することも目的の一つにあります。相手のペースに合わせて忍耐強く接することを心掛けなくてはなりません。